正しいことを言っているのに支持されない人へ。

むにたです。

突然ですが、あなたの職場に「言っていることは正しいけど、でもね…」と言われてしまう人っていますか?
今回はそれを言われる側、「自分は正しいことを言っているはずなのに、なぜか空回る」と悩んでいる人への記事です。

「正しいことを言う人」はどの職場にもいる

同僚から、「お前の言っていることは正しいよ、でも…」と語尾を濁されてしまう。

「正論だけでは人は動かないよ」と上司に諭されてしまう。

部下や後輩に煙たがられる。

やるべきことをやらない人や、適当なことを言っている人のほうが、人望がある気がする…。

「自分は間違ったことは言っていないのに」と内心悩んでいる人は、実は多いのではないでしょうか。

先に言ってしまいますが、あなたは決して間違っていません。自信をもってください。それで大丈夫です。
ただ、ふるまいとして適当か、というと、ちょっとずれています。そこさえ直すことができればより暮らしやすくなります。
わかりやすく説明しますね。

「正しいことを言う」は誰にでもできるわけではない

実は、あなたのように「正しいことを言う」は誰もができるわけではありません。

正しいこと、正論を言うためには、まず「どうするのが理想か」「この状況で何をするのが正しいか」を考えられる力がなければなりません。
職場には様々な人がいますが、「論理的に考え、何をどうすべきかの考えをまとめる」というのが苦手な人は実はけっこうな割合で存在します。
論理的な思考が苦手な人は、思い付きで話を進めたり考えが浅かったりするので、なかなか「正論ばかり言う」という状態にはなれません。

また、職場では自己主張がそもそも苦手な人や様々な理由で自分の意見を言いたくない人がいます。
こういった人もまた、「正論ばかり言う」という状態になれません。

こう考えると、「正しいことを言う」には高い能力が求められることがわかります。

「正しいことを言う」となぜ支持されないのか

ではなぜ「正しいことを言う人」が支持されないのでしょうか。

理由としては2つのパターンが考えられます。

1つ目は場を白けさせているパターンです。

例えば、元プロ野球選手がアマチュアの少年野球の育成を任されたとイメージしてください。
元プロ野球選手ですから、技術的には相当優れています。
そんな人に育成してもらえるのですから、少年たちもやる気満々で「頑張ります!」というでしょう。

でも、その元プロが、プロ相手と同じように剛速球を投げてきたらどうでしょう。
あるいは、プロがやるような筋トレメニューを練習に加えたら?
最初は頑張ってみる少年たちでも次第についていけなくなり、モチベーションを下げてしまうでしょう。
「やってらんねーよ」という声が聞こえてきそうです。

元プロの言い分としては、「全力で取り組む姿勢は大事。それに、少年たちも頑張るって言っていたのに。自分は本気で彼らに向き合っただけ。」でしょう。
その方向性は間違えていないんです。
でも、あまりにレベルの高いことを求められると、人はついていけず、白けてしまいます。
自分にはできないということを人は認めたくないものですから、高いレベルを求めてくる人に対し、敬遠してしまいます。

いくら正しいことを言っていても、相手のレベルに合わせたことを言わないと、相手のモチベーションを下げるだけです。
方向性は今と同じでいいのですが、正しさのレベルは調整する必要があるんですね。

「正しいことを言う人」が支持されない理由としてもう1つ考えられるのは、正しさの押し付けや上から目線になってしまっているパターンです。

正しいことを言っているとき、「自分は正しいことを言っている」という自負とともに話す人がいます。
この自負はともすると、「自分は正しいのだから当然相手が従うべき」という態度となって現れます。
そうすると言われている側としては「こちらの事情をくんでくれない」「行動を押し付けられている」と感じて不快になります。

また、自分が正しいという自負は、「自分の正しさを理解できないのか」といった思考になることもあります。
そういったある意味傲慢な、上から目線の態度は言われている側は敏感に察知しますから、「見下されている」「偉そうに」といった反発を招きます。
たとえ実際には相手を見下すような気持ちを持っていなかったとしても、相手にそう思われてしまったら、不要な溝を作ってしまうんですね。

同じ「正しいことを言う」という行動でも、相手に言い訳や反論の余地を残したり、謙虚な物言いにしたりすることで、相手の受け止め方は大きく変わります。
必要のない摩擦を生むことがないように配慮することが大事なんですね。

「正しいことを言う人」は必要

今回は正しいことを言っているのに支持されない人に焦点をあて、その理由を掘り下げました。

「論理的に考え、何をどうすべきかの考えをまとめる」という能力は多くの職場で重要ですし、その意味で「正しいことを言う人」は必要な存在です。
その優秀な能力を職場に合う形で発揮できるように、あなたの悩みが軽くなるように祈るばかりです。

むにたでした。

コメント

  1. ケンケン より:

    正しいことをやりたいだけなのになぜ受け入れられないのか、今の社会にとって自分は邪魔者なんじゃないかと苦しんでいました。
    この記事を読んで自分に足りていないものがよくわかり、救われた思いです。
    2年前ほど前の内容のようですが私にとってはとても助かりました。ありがとうございます。